2021年2月1日

黒豆と田つくりとあれこれ

blog_20201228

 
この冬は、もう、お正月におせちをつくるつもりもなかったのだけれど、2020年も年末が近づくにつれて、なんというか、何もつくらないというのも少しつまらないような気持ちになった。いよいよ「風の時代」っていうのがはじまったということだし、ここは時勢に乗じて、どうしても食べたいものだけをつくることにする。直感にしたがってつくることになったのは、黒豆と田つくり。あと、紅白なます、ニシンの昆布巻き。なんて考えていたら、どうしてもお煮しめもつくりたくなる。かまぼこは、なんと小田原の友人から年末ぴったりにぷりぷりのが届いて感激した。いや、もう、これだけあれば、立派なおせち、である。黒豆は、30日の夜中に、煮汁を沸騰させてそこに黒豆をどばっと入れて漬け込み、朝から5時間ほど炊いた。お水を足したのは1回きり。これがびっくりするほどうまくいった。固さ、甘さ、ツヤ、自分にしては120点であった。今回のつくりかたを今後も踏襲しよう。田つくりは、恥ずかしながら生まれて初めてつくったのだが、これまたむちゃんこ上手にできた。噛むとジュワッとジューシーで、ゴマの香りが鼻に残る。紅白なますの甘みには、一昨年冷凍したてづくりの干し柿を使った(今年実家の渋柿は1つも採れなかった!)。お煮しめは、炊いている時、本当に最高の気持ちになる。あの豊かすぎるかおり! お煮しめのレメディとかつくらなくていいですかね(つくらなくていいか)。ニシンの昆布巻きは、みがきニシンを戻すという作業に、気持ちのほとんどを使った感じ。しかも、どこが「戻った」ゴールなのかいまいちわからなかった。準備が遅くて、結局昆布巻きにして煮たのは1月4日だったかな。これもお煮しめ同様、自作ならではの淡いお味でたいへん満足した。そういえば、年末に、「自分は何が好きかって、かぶら寿司が、食べ物の中でもっとも好きかもしれない」と嘯いていたら、なんとその2日後に、偶然にも石川県の友人からかぶら寿司が届いてこれまた驚いた。お正月は、カナダのりんごのお菓子(アップルクリスプ)をつくったりして、結局台所にしょっちゅう立ってたのしかったな。三國清三シェフの半生をYouTube()で聴くことができたのもよかった。ニシンの生まれ変わりと呼ばれた男。料理人の一代記を読んだり聴くのがほんとうに好きだ。12月1月、特にお正月苦手病も、料理のおかげで、地の時代に置いていけたような気がする。