2019年11月14日

詩|とうとう、あいになったわ、わたし

24760001
c 松岡一哲

かあさん、

わたし

40だいもこうはんになっても

まだかわりつづけているのと

おおあめのひに

まったくたいようがみえないそらにむかって

うそぶいてみる

 

かわってかわってかわって

わたしはあいになってしまった

昨秋のことだ

 

あいになってしまったら

ぜんぶわかる

あいになってしまったら

さかいがなくなって

そうして同時に

かんぜんなるひとりきりになる

かんぜんにぜんぶとつながってる

そしてひとりなのやっぱり

 

あはは

おかしいね

いや まって

かなしいのかな

 

あらゆる感情という感情が

どんどんどんどん

背中の各所からとびだしていく

龍の背なに乗って

 

さよならわたし

こんにちはわたし

 

おおあめの向こうから

山がこちらをのぞいてる

山だって

おお

わたしじしんなのであった