2018年3月29日

愛しているといわなくたって

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わたしは、なんだけれど、ことさら声高に、〜を愛しているって、すきであればあるほどいいたくないたちだな。この土地、この環境、たとえば市とか県とか、ときには国っていうくくりになるこの場をわたしは、わざわざ声をあげなくともあたりまえに愛しているし、土地のウニヒピリや精霊たちだって、わたしの気持ちをすごく感じているもののように思う。愛しているって、どういう関係であれ、そうやってそっとうちうちで交換される、かつ通じあう何かなんではないかなと思っている。「おしどり夫婦」の大半が仮面夫婦であるように、逆に本物の夫婦は、きわめて無に近い目立たないものなんだと思う。あえて仲がいいとか、愛しているとか、その「かたち」を話題にのぼらせなくてはならないというのは、不安感があったりなんらかの弱気から起こるものなんじゃないのかな。愛国とか愛県とか愛市とかいわなくたって……たとえば愛犬家なんて名乗らなくたって犬のこと好きだし。愛し合っているふたりというのは、目と目でみつめあえば、ことばなんかなくたって充分にわかるものだと思っている。わたしと土地や国との関係も、ほんとうに、まったく同じなのだと思っている。こんなことをわざわざいいたくもないけれど、でもなんか、言語化する必要がある気になって、書きました。久しぶりに。