2015年1月15日

新年に|平和は、ここから、はじめられる

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これから楽器を習うならば、笙(しょう)がいいと考えていたら、2日後にふと入ったレストランで、突然、笙の演奏会がはじまった。驚いた。大塚惇平さんという方の演奏で、今わたしが求めている音色そのもので、幾重にも存在する次元のすべてにその音色が沁みていくような、そんな音だった◎翌日は福太郎さんが敬愛してやまない、佐原張子の鎌田芳朗さんにお会いした。鎌田さんは鎌田さんがつくる猫そのままだった。あたりまえのことかもしれないけれど今までわたしは張り子の猫に、鎌田さん自身を感じてここちよく思っていたのだ。陽気で純粋かつ無垢な生。鎌田さんの存在感のまわりで、大の大人の男たちが完全な愛らしさを保ったまま集っていた。そこは、「世界には笑みしか存在しません」というような場となっていた◎夜には、1月31日(土)に公開となる映画『バベルの学校』と尾道在住の監督・田中トシノリさんご自身から送っていただいた(ありがとうございました!)『スーパーローカルヒーロー』2本の映画を観る。ふたつの作品から受け取ったメッセージは、「平和は、どんな状況でも、ここから、今この場から、はじめられる」。ものごとが解放され、同時に、あたたかく、しかるべき状態に統べる、そのためにわたしは仕事をしている。ものごとが頑に凝り固まり、かつばらばらに、冷たくなっていくために仕事をしているわけではない。わたしは、本当に、平和を望んでいる。今までもこれからもこの気持ちがひとつも変わることはない。世界には、そんな気持ちといちぶの隙なく同調するような世界があちこちに存在している。それが明らかになっている。新年があけて、それを感じて、あたらしい世界の到来を感じて、うつくしい沈黙をひとりわたしの中で味わっている◎年末年始は、ロバート・ワイアットの2枚組とずっとともにあった。わたし自身が新年という存在に溶けてしまうような音楽だった。