4C9D24DD-A5E8-4435-A9DE-9B267BFC67D5

『自分をたいせつにする本』

  • ちくまプリマー新書|ちくま書房=刊
  • 2021年7月10日発売

はじめて、高校生、大学生向けに書いた本。企画から(確か)5年くらいかかり、いざ書こうと思ってから2年ほどかかり、昨年の10月にようやく書き下ろしをした。ずっと、わたしの目から世界がどう見えているか、どういう構造をしていると感じるか、について書いてみたいと思っていた(とりわけそういうことにとても興味があって、そういうことばかり考えている)。いや、世界というか、人間というものの構造、みたいなもの。こころとか魂だとかいうものがいったい何なのか。もちろんこの現在も探求のただなかではあるのだが、わたしの中には、ある仮説はおおよそこういうものである。

①輪廻のなかで生まれてくる。②そのときに、おおまかなシナリオがある。③自分にぴったりのシナリオを体験していける家族や環境を選ぶ。④いったんゼロになって生まれる。ただしシナリオは無意識のなかで静かに進行している。⑤①=つまりカルマにも関係する体験を続け、「着ぐるみ」を着る。「仮面」や「サングラス」を身につける。=「自分風」の自分ができあがる⑥人生上の「問題」や変化が起こる(問題は「問題」と見えるだけで、ほんとうは「問題」というものはない)。⑦なんらかの気づき。(気づかないとそのまままた同じことをループ)。⑧「着ぐるみ」「仮面」「サングラス」が徐々に取れていく。=「自分風」から「自分」になっていく。⑨⑤から⑧を繰り返していきながら、「ほんらいの自分」へと戻っていく。⑩目醒め、さらなる意識の拡大へ(ここからも果てしなく段階がある)

ずっと、書いていること、いっていることは同じである。「あたらしい自分」とは「ほんらいの自分」であり、自我に囚われ、集合的無意識に翻弄され生きることからはなれて、いよいよ、個としてハートから生きる、自分のなかに眠る自然、神性を働かせて生きるということが、いよいよはじまっているということを繰り返し言い続けてきた。その根底には、人間の意識が、いよいよ目醒めるタイミングがきているということもあるし、地球環境の破壊の進行とも関わってこうなってきているとも感じる。
いよいよ、一人一人が、目醒めて、ほんらいの自分となり、集合的無意識に翻弄されることなく、歩くパワースポットとなるときだとあらためて感じる。そうして、それは、もちろん、⑥のなんらかの「問題」がきっかけになるのだけれど、しかし、「自分をたいせつにすること」でも、着ぐるみや仮面やサングラスを脱いでいくことができる。もちろんその知恵は「問題」が起こったときに、とても自分を支えるものでもある。

さあ、若い人にどう読まれるのだろうか。2021年、自分をたいせつにしはじめるにはもってこいの夏、というムードが充満している。世界の大転換期は、人をつよくし、たくましくし、その進化のスピードをあげるエンジンを内蔵している。いよいよ本気で、「自分風」を脱ぎ捨て、「わたしがわたしをわたしする」だけの季節に入ったのだ。